~前置き~
勝ってもいないデッキの解説を必要とする方がいらっしゃるかは不明ですが
自分の今回の経験を記録にしておくことで新たな記憶を入れるスペースを
脳に作るべく筆を取った次第です。
正直、チューンにはけっこう満足しているのでどうにもよりどころのない
予選出場プレイヤーの方は、乗れそうな船だと思ったら乗ってみていただければ
なんて思ったりしています。
ただ筆者による「もっともらしく書こう」というコンセプトを重視しているので
(◎ω◎)「ゴブリン最強じゃん!」
と思ってもあなたが騙されやすい人であれば、
周りの誰かに一度相談することをオススメします。

~レシピ~
まずはこちらのデッキリストをご覧ください。

4 ゴブリンの先達
4 ゴブリンの奇襲隊
4 ゴブリンの酋長
4 燃えさし運び
4 トゲ撃ちの古老
3 躁の蛮人
2 槌のコス
3 四肢切断
4 稲妻
4 焼尽の猛火

4 ぐらつく峰
4 沸騰する小湖
4 乾燥台地
12 山

2 焼却
3 反逆の印
2 戦争と平和の剣
2 饗宴と飢餓の剣
2 ファイレクシアの変形者
2 ヴァルショクの難民
2 壊滅的な召喚

~解説~
見る方それぞれ違うかもしれませんが、気になられそうな点のご説明。

・マナベース
焼尽の猛火は石鍛冶等への最高の回答のひとつです。どのタイミングでも。
2Tでなくても上陸してキャストできなくては脆弱な呪文ですから、
全力でサポートすることにしました。
またジェイスのトップチェックへのプレッシャーとしても機能します。
ほぼ常に、エンド前ではなく自ターンアップキープにフェッチを起動します。
これにより該当ターンに土地をセットすることなく上陸モードで焼尽します。
四肢切断のペイライフとあわせるとライフの損失はバカになりませんが
それでもその損失が落としたゲームよりはるかに多くの勝利をもたらしました。
何度かフェッチの枚数の削減は考えましたがやはりこのデッキの強さの
キモのひとつであろうと結論づけました。
また、地盤の際および激戦の戦域などの無色マナ土地は不採用です。
2Tに2マナの赤マナが出ないと圧倒的に勝てるプランが少なくなります。

・火力
最近の生物デッキの多さを検討した場合、電弧の痕跡の採用は妥当だと思います。
しかしもしその場所を用意するならばサイドボードでしょう。
このデッキの爆発力は安定性のあるカードよりも凶暴なカードで固めるという
一貫したコンセプトによる選択に基づいております。
アドバンテージを取るよりもライフをぶち抜きに行ってブロックを強要して
いれば結果として勝利は転がり込んでくるのですから。
そしてトップから引く赤祭殿の弱さには耐えられません。
よろめきショックは3ターン目以降に一つのアクションプラス火力、という
動きができないと相手に猶予を与えてしまいますので不採用です。
リソースは上手にプレイすれば意外と不足しないものです。

・生物選択
当初はゴブリンの戦煽りが2枚残っていましたが、そのスロットはそれぞれ
3枚目の四肢切断、3枚目の躁の蛮人になりました。
マナカーブとしては2マナ域のカードを残したかったのですが
(←計算なんてしてないです、体感こそ至上)
メタはそれを許してくれませんでした。万が一石鍛冶を仕留め損ない、
殴打頭蓋が戦場に現れても慌てなくてよいようにする必要がありました。
トゲ撃ちの古老はぐらつく峰や酋長との相性、およびその狙われやすさから
枚数は4枚にしております。同系では4枚あるだけで優位だと思います。

その他の生物について説明が必要だとしたらゴブリンの奇襲隊でしょうか?
単体カードパワーは確かに低く、場合によっては単なる1マナ1/1です。
しかし油断の隙を縫って速攻生物が残るライフを削るとき、
最大打点を目指して2Tに走り出すとき、どちらの場合でも
多寡はありましょうがこちらの望むゲームプランに一歩近づかせてくれます。
4枚必須ではないですが、プレイスタイル的には減らせません。

・躁の蛮人と四肢切断
もともと2枚ずつ枠を作っていましたが殴打頭蓋のヤバさの前に増量を
余儀なくされて、しかしながら枚数は増やせばいいというものではないなと。
四肢切断を4枚入れるとビート相手に先に死んでしまいます。
躁の蛮人を4枚入れるとヴァラクート相手に勝てません。ゴブ「ニンゲンハコレダカラ…」
これにより最近の「サイドから2枚目」にもどうにか対応できます。

・4マナ以上のカード
最終的に2枚のコスだけになりましたが、サイドに溶鉄の尾のマスティコアを
採用していた時期もありました。オキシド峠の英雄が採用されているレシピも
多くありますしその強さはわかりますが、生物の脆弱性とこのデッキが4マナ
支払うときに相手にかけるプレッシャーとしての質という点から不採用と
しております。
このカードを用いて突破すべき難関は呪文滑りと戦隊の鷹でしょうが、
それらには他のカードで十分に対処ができていると体験者は考えます。

マスティコアに関してはジェイスにこそ弱いものの、天界の粛清にも
瞬間凍結にも引っかからず、プロテクション赤も無視し、ギデオンを殴りつつ
プレイヤーのライフを攻めることができる、ときわめて有効なサイドカードだと
思います。ジェイスに弱いという一節が気になる方もおられましょうが、
ジェイス自体は赤単相手にはまったく強くないカードなので、ジェイスを軸に
プランを作ってくるのなら普段どおりに子鬼を暴れさせておけば大丈夫です。
しかしリンヴァーラだけは勘弁してください。

コスの枚数は増やしえるものですが、それでもサイドから入ってくる剣
(と壊滅的な召喚)の運用を考えるとこれ以上の高マナカードには
枠を用意できなくなりました。プレイスタイルによって奇襲隊を一枚こちらに
することは検討できると思います。

・サイドボード
これは難しい項目です。かなり自分のクセがでていて蛮人、おっと万人受けする
内容ではないと思います。各カードについて説明します。

反逆の印
入れる相手…ヴァラクート
ここは説明ほぼ不要枠と思っております。
攻撃的な行動でない理由としてはペイライフのきつさが一番です。
二番目には自軍生物に使えない点です。
攻撃的な行動は赤くないデッキが使えばいいカードだと判断しています。
もちろん天界の列柱のブロックすら許さない動きは強烈ですが、
その強さは王道の強さを曲げてまで採用されるとは考えにくいものでした。
もし採用するならばその居場所はメインでしょうか?
抜くカードは四肢切断が1枚と焼尽の猛火2枚が多いです。
除去する前にこちらで奪ってプレイヤーのライフをゼロにする、
という思想ですね。

壊滅的な召喚
入れる相手…ヴァラクート、テゼレット、様子見つつ同系
ヴァラクート側は紅蓮地獄をひとつのキープ基準としてくるでしょうから、
3、できれば稲妻や噴火に耐える4でキャストしたいところです。
こちら先手で2体の子鬼展開→紅蓮地獄、返しに酋長→稲妻、返しに壊滅奇襲キック
というプレイは非常に簡単なマジックを提供してくれました。
テゼレットも隙のあるデッキなので、どこかで一撃をくらわせることは
それほど難易度の高いミッションではないでしょう。
上記2種のデッキにはこれかコスのどちらかを通すとこちらのペースで
試合を進められるので、両立しえないカードですがどちらも残します。
抜くカードはトゲ撃ちの古老が基本です。
同系のときはコスなど重いマナ域のカードが多そうならば入れてライフレースを
優位に進めるといいと思います。もし戦争と平和の剣と同時に引いてしまった
場合、1/1を2体作って装備先を多く仕込むことも悪くないプランです。

ヴァルショクの難民
入れる相手…同系
装備先としても優秀な攻防一体のカード。なのかもしれませんが、
最近の同系増加に合わせて用意した枠で今のところ実績がなく、
剣をお互いにサイドインする場合、入れ替え候補の躁の蛮人を残すことになるため、
果たしてそれほど優秀なチョイス足りえるのか?疑問です。

戦争と平和の剣
入れる相手…同系、カウブレード、様子を見て白緑
このカードは優秀です。しかしこのデッキにおいては強さに見合う重さを
持っていて、カウブレードのように簡単には運用できません。
疑問の声も多いでしょうが現時点では基本的にコスを抜いてスロットを作っています。
スピード重視ではない、コスが利きそうなデッキが相手ならばムリにインする
必要は無いと思います。ムリに両立させても強いとは思いますけれど。

饗宴と飢餓の剣
入れる相手…黒系、緑系(←ひねりナシ)
このカードはまだポテンシャルを最大限に検討していません。
緑系はともかく、ときどきみるファイレクシアの抹消者が切断できないと
試合が終わってしまうので採用してみています。抜くカードも確定できていません。

ファイレクシアの変形者
入れる相手…カウブレード、白緑
基本的に剣と一緒にサイドインされます。
相手の石鍛冶の神秘家をコピーして剣を持ってきましょう。
相手のコーの火歩きをコピーして一緒にライフを得ましょう。
相手のミラディンの十字軍をコピーして打点をあげてもいいです。
相手の戦隊の鷹をコピーして空でやりあうのもいいです。
自分のゴブリンの酋長の嵩を増すのにも使えます。
抜くカードは多くの場合、涙を呑んで奇襲隊です。

焼却
入れる相手…双子、白緑
白緑にはそれほど効かないのですが、ペイライフがきついので四肢切断を1枚
差し替えます。ミラディンの十字軍にはこちらでないと困りますし。
その分、コーの火歩きがきつくなるので入れ替えは慎重に行うべきです。
上には記載していませんが、刃砦の英雄を見たときも入れる可能性が高いです。
双子相手ならば焼尽の猛火を抜きます。

圧壊
入れる相手…なし
不採用。他のカードで対処できます。

~後付~
このデッキは特定のターンの最大打点よりも蓄積ダメージの効率を重視した
構築となっていますので、常に相手のライフを攻めて相手の苦しげな顔を見て
ニヤニヤしたいピュアな紳士にオススメです。
一応の相性として
ヴァラクートとカウブレードには6:4
白緑相手では3~4:7~6ですが、
その他ある程度主流のデッキにもこちらが主導権を握るゲーム展開を
体感として持っています。

サイドボード以降が特にぐだぐだになってしまいましたが、
もしご覧になった方が何か得られたとしたらそれは幸いです。
おもしろくない記事ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

Ob-lin
2011年6月23日12:14

人がデッキを煮詰めていく過程というか、思考の中身を記事にして貰えるってのはとても読み甲斐があって面白いっすね。
こんだけガッツリ解説するには気合もいるし、大変なことですよねー。素直にスゲーなと。
予選終わったら殻の解説でもするかなw

Ryu
2011年6月23日17:48

>緑パーカーさん
あざーす!
デッキ解説は、昔ズヴィという外国人が自分で作った赤緑ステロイドの解説をしている記事を見てからずっとやりたかったんですが、これだけ真面目にやったのは今回が初めてですw
設計のコンセプトはマジックジャンキー同士日常会話に入ってきますけど、一枚一枚の採用理由はなかなか深く話す機会も時間もないのでやってみるに至りました。
Ryu

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索